ちょっと前の話ですが。

以前「片目失明者友の会」に質問メールを投げたことがあります。
某掲示板に貼るために、一時的に他のブログを作ってそのメール内容を残しておいたのですが、こちらに移動します。
もともと三つに分けて書いてありましたが一本にまとめてしまいます(長いですが)。
このメールのやりとりの結果、僕は彼らの活動に賛同しないことに決めました。
しかし、彼らは彼らの活動を頑張って欲しいと思っています。
片目失明者の拠り所を作るのは素晴らしいことだと思います。
では以下、他のブログから移動して再掲載です。
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僕はものごころつくまえに片目を失明しまして、気づけば30年余、苦労したようなしていないような人生です。
普通に働いて妻も子供もありますので、まぁ苦労したとしてもそれなりに報われているのかなぁなどとボンヤリ考えています。
さて、先日こんなニュースを目にしました。
片目失明でも障害者認定を…改正求め「友の会」
いままで片目の人たちの団体って無かったんですね。
みんなそれぞれ苦労している訳で、集まって情報交換とかしたら良いのになぁと思っていたところ。
「片目失明者友の会」なるものがあると知り、まず驚きました。
で、その人達が「障害者認定」を求めていると知りさらに驚きました。
正直「大丈夫なのか?」と思いました。
障害者認定されればお金がもらえたりいろいろ控除されたり、というのはよく分るのですが、それより「差別とかされないのかな…」という思いが浮かびました。
とにかく、彼らは何を主張しているのか調べようと思いました。
片目失明者友の会は請願書というのを作成しており、そこに彼らの主張が書かれています。
一読しまして、彼らの思いの強さはよく分かりました。
必死さ、というべきでしょうか。
しかし肝心の内容については、ちょっと漠然としていて分かりませんでした。
(請願書というのはあまり細かいことを書かないのかもしれませんが)
僕自身としては、現状で特に困っていることはありません。
ですので、友の会の活動は傍観していても良いかと思ったのですが、僕もいわば当事者です。
ある日とつぜん障害者認定されるかもしれないのです。
態度をはっきりすべきではないかと考えました。
賛成か反対か、あるいは「静観」か。
しっかり考えて態度を決めようと思いました。
とはいえ、彼らの主張する細かい内容はウェブで調べても見つかりません。
ならば、と思い切って直接メールしてみることにしました。
片目失明者友の会に下記のメールを送ってみました。
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先日、貴会が出されている嘆願書についてニュースで知り、興味を持ちました。
私も片目失明者として現行制度に不満な点もあります。
そこで、貴会の活動に賛同すべく嘆願書の内容を読みました。
読んでいく中でいくつか質問したいことが出てきましたので、お答えいただけたら幸いです。
私はしっかり納得できた上で賛同したいと考えています。
あらかじめ申し上げておきますが、私は嘆願書を出されることやその内容について、一切否定していません。
素晴らしい行動だと思います。
単に疑問に思ったことを質問させていただきます。批判する意図は全くありません。
では、以下質問させてください。
(1) 嘆願書に書かれている「片目失明者」とは具体的にどのような状態を想定されていますか?
 例えば見えない方の片目の視力、視野、見える方の視力などの数値です。
(2) 片目失明者を障害者認定して欲しいとのことですが、現状の問題点としてどういうものがあり、そして障害者認定されることでどのように解決されるとお考えですか?
 例えば
 ・被せ義眼の補助がない
  → 障害者認定されることで補助が出る
 ・就職しにくい
  → 障害者雇用の枠を使うことができるようになり就職しやすくなる
 等、具体的に列挙していただけると幸いです。
(3) 上記の問題点は障害者認定以外の方法で解決できませんか?
 嘆願書によりますと、6級か7級に入れて欲しいとのことです。
 しかしそのためには障害者手帳の制度全体を見直す必要があると思います。
 例えば6級に入るとなると、現在6級の人はどうするのか。
 また、建前上は白杖を持つ義務が法律で定められていますがこれも改正する必要が出てきます。
 7級だとすると、他の障害の7級は手帳が交付されませんので、整合性を合わせるためやはり制度全体の見直しが必要です。
 このように、かなり大掛かりな話になります。
 無論、それが必要なことならば行うべきです。
 しかし現在抱えている問題を解決するのが目的で、より即効性のある方法があるならば、そちらを要望した方が得策だと考えます。
 例えば被せ義眼の補助を個別に要求する、企業の採用試験で片目を理由に落とすことを禁じるような条例を作る、などです。
 そういった個別の要求ではなく障害者認定を求めるには何か理由があるのか、それを知りたいと思います。
(4) 障害者認定されることによるデメリットはどのようなものを想定されていますか?
 私が心配しているのは、制度によってはっきり「障害者」と認定されることで差別や偏見が助長されることです。
 就職も、障害者枠があることで逆に通常の就職活動がしにくくなるのではないかと心配しています。
以上4点、ご回答のほどお願い申し上げます。
繰り返しますが、私は貴会の活動を批判するつもりはなく、むしろ賛同したいがために質問しています。
最後に、私も片目失明者の団体は必要だと前々から考えていました。
それを実現なさったこと、大変素晴らしいと思います。
全国の片目失明者とネットワークを作り、現状の問題点や悩みについて話し合い、解決に向けて活動できるような状況になったら良いと思います。

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あらためて読み返すとエクスキューズが多いですね…
こういう文章、苦手なんです。
さて、その日のうちに友の会の代表から以下の御返事をいただきました。
こうやって紹介することは問題ないのか心配でしたが、先方はNPO法人なので大丈夫かと。
ちなみに「ブログで紹介して良いですか?」とメールで聞きましたがお返事はいただけませんでした…
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この度は厚生労働大臣に対する請願書に対してご質問を頂き、誠に有難う御座います。
ご質問に書かれている事はごもっともな事で、それを否定するものでは有りません。
私達片目光を失って失明している人間は、今迄いやと言う程、差別を受け、いじめを受けたりして泣かされてきました。
就職面では片方の目が見えないと言う事で、JR,自衛官、警察官、消防士他目に関するものに関しては就職したくても出来ません。今でもそうです。
免許に関しても大型1種、2種全般、中型1種、けん引免許等取ることが出来ません。
こう言う片目に対して、社会的に必要とされる制限を設けられているなら、逆にそれに対する社会保障が設けられても日本国憲法の理念に照らしても、当然だと思うし、今まで目に対する認識不足から置き去りにしてきた厚生労働省の過失は重大であると言うのが私達の言い分です。
6級をどうするのか、7級をどうするのか等の細かいことは厚生労働省が専門家に相談して決める事で有って、今其れをいったからと言ってどうにもなるものでは有りません。
只総合的に判断して義眼の人を含め片方の目が見えない人は、もう片方の視力に関係なく絶対に障害者として認めて貰う必要があると言う観点から、今の運動を展開しております。
片方の目が見えて、もう片方の目が弱視等殆ど見えない人は視野の部分も含めてどうするか?は先日の役員会議に於いて、再度検討して行くと言う事になりました。
お陰様で今、色々な団体からご支援の話しを頂いておりますし、某代議士の先生からも連携して行きたいと言う話しを頂いております。
障害者認定を受ける事によるデメリット少しはあるかも知れませんが、今まで受けて来た屈辱から考えると、色々な特典が受けれますし、(各都道府県、市町村によって特典は多少異なります。)メリットの方が大きいと考えています。
就職面に於いても、障害者総合支援法が25年4月から施行されますし、障害者を就職面等に於いて差別してはいけない事になっていますので、かなりいい方向で進んで行くのではないかと思っています。今ハローワークでは障害者専用の窓口を設けている所も有ります。
以上○○様の問いかけに対して満足の行く返事になっていないかも知れませんが、誰かが行動を起こさないと前に進んで行く事が出来ませんので、実現に向けて前を向いて一歩一歩進んでおります。

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僕の質問には細かく答えていただけませんでしたが、思いの強さは伝わります。
僕としては、やはり懸念点が解消されないのですぐには賛同できないかなぁ、というところです。
もう少しいろいろ考えてみて、納得できたら賛同しようと思います。
あと、友の会自体にも入会したほうが良いかとも思っています。
とにかく対話して、ダメだったら距離をおくこともできますし…
とはいえ現状では、入会=請願書に賛同ということになりそうなので、入会もしません。
結局、しばらく静観ということになりそうです。



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